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原爆の惨禍伝える朗読劇 広島や廿日市の市民有志 元安川で映像収録 6日配信

 広島市や廿日市市の市民有志が2日、原爆の惨禍を伝えるオリジナルの朗読劇を、原爆ドームを望む広島市中区の元安川親水テラスで収録した。6日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で映像配信する。

 タイトルは「葉子の嘘(うそ)」。原爆で自宅の下敷きになった娘を助け出せなかったと自責の念に苦しむ母と、5年後に母の前に現れ、母が生き続けるための嘘をついた娘の姿を通し、原爆に翻弄(ほんろう)された家族の姿を描いている。時間は約20分。廿日市市の自営業久保田修司さん(62)が脚本を担当した。

 当初、6日に広島市内での上演を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった。被爆75年の節目に、広島から世界に核兵器廃絶と平和への願いを伝えたいと、動画配信を決めた。

 2日は、出演者たちが、情感豊かにせりふを朗読する様子を映像に収めた。久保田さんは「核兵器は絶対に使ってはいけないという思いを、世界の人たちに共感してもらいたい」と願う。(小林可奈)

(2020年8月3日朝刊掲載)

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