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震災を忘れないで 福島から東広島に避難 高田さん講演

 東京電力福島第1原発事故で、福島県浪江町から東広島市に避難して農業を営む高田英子さん(58)が8日、広島市中区であった市民団体の集いで講演した。避難生活や移住を振り返りつつ、「震災や原発事故を忘れないで」と呼び掛けた。(岡田浩平)

 自宅が原発から北西13キロにある高田さんは、事故から4日間、満足な食事を取れず、事故の詳しい状況も分からない中、車で避難した体験を紹介。最近は「大変でしたね」と声を掛けられる回数が減ったといい、「広島の原爆と同じように、私たちの体験も次世代に伝えて」と訴えた。

 2011年3月下旬には夫の秀光さん(62)とともに親類がいる広島市南区に逃れ、10月に東広島市へ移った。田畑を借り、コメや白ネギ、福島で盛んなリンドウ栽培に精を出す近況を報告。「水もきれいで最高の環境」と笑顔をみせた。

 集いは震災の被災者支援に取り組む「ひろしま市民活動ネットワーク HEART to HEART」(中区)が催した。

(2013年6月9日朝刊掲載)

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