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「黒い雨」10月に無料相談開始 広島市、健康診断助成も

 広島市は、原爆投下後の「黒い雨」の被害者支援を、国の援護対象区域外の人にも広げる。10月から、保健師や専門医による無料相談を始め、健康診断の費用も助成する。事業費3390万円を盛り込んだ2013年度補正予算案を、18日開会予定の市議会定例会に提出する。

 相談は保健師が受け、必要に応じて専門医につなぐ。病気がちな人には、がん検診や特定健診の受診を勧め、自己負担分を全額助成する。

 広島市と周辺2市5町、広島県は10年、「黒い雨は国の援護対象区域より広範囲で降った」とする住民調査報告書を厚生労働省に提出。区域を現状の約6倍に広げるよう求めている。

 厚労省は昨年7月、拡大を見送った。その代わりに今回の支援事業を打ち出し、費用は全額を国負担とした。

 厚労省は、周辺の廿日市、安芸高田の2市と府中、海田、坂、安芸太田、北広島の5町にも、広島市と同じような支援をする。県が事業委託を受け、10月から始める。(岡田浩平、田中美千子)

(2013年6月8日朝刊掲載)

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