×

ニュース

被曝医療 ヒロシマに学ぶ アジアの研究者参加 HICAREとIAEA初企画

 原発建設や医療現場での放射線の利用が急速に進むアジア地域の研究者に、事故に備えて被曝(ひばく)医療に必要な知識を伝える研修会が10日、広島市中区のホテルで始まった。広島県、広島市などでつくる放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)と国際原子力機関(IAEA)が初めて企画した。(田中美千子)

 原発建設に力を入れるインドや韓国、医療が高度化しつつあるフィリピンやベトナムなど8カ国の医師や研究者たち計9人が参加。初日は、IAEAの放射線生物学者や広島大教授たちが、被曝による細胞の変化から線量を測定する方法や、福島第1原発事故での対応を解説した。

 タイのカセサート大のワンウィサ・スーパサー博士(49)は「被爆地広島の蓄積を吸収したい」と話していた。

 HICAREとIAEAは2010年、共同研究や人材育成で連携協定を結んだ。今回の研修は14日までの5日間で、放射線影響研究所(放影研、南区)や原爆資料館(中区)も見学する。HICARE会長の大久保利晃放影研理事長は「IAEAとの連携で、講師はみな素晴らしい。受講生には広島原爆の影響も深く学んでほしい」と期待した。

(2013年6月11日朝刊掲載)

年別アーカイブ