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上関埋め立て判断先送り 反対住民 知事に監査請求へ

 中国電力の上関原発(山口県上関町)建設予定地の公有水面埋め立て免許の延長申請をめぐり、山本繁太郎知事が延長の可否判断を違法に先送りして県に損害を与えたとして、計画反対派の住民が11日、職員人件費の返還などを山本知事に求める監査請求をする。

 住民側は「請求が認められれば、知事の先送り判断が違法だったことを示す。知事は即時に延長不許可とせざるを得ない」と主張。監査請求が却下、棄却された場合には、山口地裁に提訴する構えを見せている。

 監査請求するのは、上関原発を建てさせない祝島島民の会など反対派住民団体の代表者ら約50人。請求書などによると、審査に通常必要な期間を超えているのに判断しないのは「地方自治法に義務づけた事務の誠実な執行に反する」と主張。県が内規で定めた標準処理期間の満了日を迎えた2月26日から発生した人件費、用紙代などを県に返還するよう知事に求めている。

 さらに、埋め立て免許は法的にすでに失効していると指摘。中電に埋め立て予定地のブイ撤去などの原状回復をさせるよう求めた。

 上関原発計画は福島第1原発事故後に中断。中電は昨年10月、県に予定地の埋め立て免許の3年間延長を申請した。山本知事は二井関成・前知事の方針を引き継ぎ「不許可処分することになる」と発言していたが、中電に4度の補足説明を求めた上、ことし3月4日には審査にさらに1年程度かける考えを表明して判断を先送りしている。(久保田剛)

(2013年6月11日朝刊掲載)

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