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被爆75年 平和な世界を オバマ氏や教皇らメッセージ 広島県 10著名人 ウェブ公開

 広島県は4日、被爆75年に合わせて、米国のオバマ前大統領とローマ教皇フランシスコからメッセージが届いたと発表した。それぞれ広島訪問の経験に触れ、平和な世界の実現を訴えている。県は、核兵器廃絶に向けた国際的な機運を高めようと、協力を依頼していた。2人を含む海外の著名人10人の思いを、ウェブサイト「国際平和拠点ひろしま」で紹介している。(岡田浩平、宮野史康)

 県によると、オバマ氏からはオバマ財団(米シカゴ)を通じて7月31日に国際郵便で受け取った。現職の米大統領として初めて果たした2016年の広島訪問で被爆者と対面した時を振り返り「彼らはいつも、私たちに訴えかけてきます。科学の進歩が、破壊するためではなく何かを築いていくために利用される平和な世界を希求することを、決して諦めてはならないのだと」と記している。

 19年に広島を訪れたローマ教皇からは7月27日に届いた。「平和と繁栄を築くためには全ての人々が核兵器を廃棄しなければならない」と強調している。

 ほかに、国連の潘基文(バン・キムン)前事務総長は「今こそ世界は広島の声に耳を傾けるべきだ」、NGO(非政府組織)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のベアトリス・フィン事務局長は「次世代に核兵器の影響や被爆者の証言を伝え続けてほしい」と、それぞれ動画で訴えている。

 県は広島を訪れたり、平和施策で人脈を築いたりした著名人に対して6月半ばから、「被爆100年を展望し、広島に求められる役割」をテーマにメッセージを寄せるよう呼び掛けていた。湯崎英彦知事は「核兵器廃絶の実現に向けた強い思いを受け止め、国内外の多くの皆さんの行動につなげたい」と話している。

 米国のオバマ前大統領とローマ教皇フランシスコから寄せられたメッセージの日本語訳は、ホームページ「中国新聞デジタル」に掲載しています。

(2020年8月5日朝刊掲載)

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