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平和ガイド20年「次世代も」 市ボランティア協 メンバー不足と高齢化 「ヒロシマ伝える若い力を」

 平和記念公園(広島市中区)などを案内する市観光ボランティアガイド協会が今秋、設立20周年を迎える。毎年ガイドを養成し、国内外の観光客や修学旅行生たちに市中心部の歩みを伝えてきた。近年、ガイドの不足と高齢化が課題になる中、新型コロナウイルス禍も活動に影を落とす。「新たなメンバーを加え、広島の歴史や文化を伝え続けたい」と願う。(小林可奈)

 協会は2000年10月に発足した。当初22人だったガイドは今年7月末現在、137人。同公園のほか、広島城、縮景園、旧日本銀行広島支店(いずれも中区)を主に案内する。ガイド1人につき1500円で15人まで引き受ける。毎年8月6日の広島原爆の日には同公園で無料ガイドも実施している。

 この20年で活動が認知され、発足当初には100件程度だった年間の案内件数は近年、2千件以上に上る。16年5月のオバマ米大統領(当時)の広島訪問を機に外国人観光客からの依頼も増えた。

 しかし、ガイドの人数は減少傾向にある。ピーク時の145人(17年度)から8人減。ここ数年、修学旅行シーズンの5、6月と10、11月を中心に、人手が足りないため依頼を断らざるを得ないケースが相次いでいる。70代以上が半数を占め、高齢を理由に活動をやめる人もいる。

 一方で、感染拡大の影響も直撃した。4~6月は28件と前年同期(703件)から大幅に減った。案内時に「密」を避け、感染防止策に力を入れているが、横山希昭(のりあき)会長(69)は「新型コロナの影響がいつまで続くのか見通せない」と不安を口にする。

 新型コロナに翻弄(ほんろう)されながらも、同協会は新たなガイドを育てる計8回の養成講座を9~12月に開く。横山会長は「英語ができるガイドを確保するためにも、大学生たち若い世代の力が欲しい」と参加を呼び掛ける。受講料千円で、月5回以上、活動できる人が対象。受け付けは今月26日まで。☎082(222)5577=火・日曜日、祝日は休み。

(2020年8月5日朝刊掲載)

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