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故中沢さんの本 翻訳 モンゴルの学校に配布へ 

 昨年12月に亡くなった漫画家の中沢啓治さんの本「はだしのゲンはヒロシマを忘れない」のモンゴル語版が今夏にも出版される。日本、モンゴル両国で活動するボランティア団体、モンゴル子供支援(ハイシリングNGO)が翻訳、印刷して、現地の小中学校や各省庁に配布する。

 同団体が中沢さんの本をモンゴル語版にするのは、絵本「はだしのゲン」に次いで2作品目。今回は、代表の江口喜多枝(きたえ)さん(58)=東京都=が5月中旬に広島を訪れた際、再会した中沢さんの妻ミサヨさん(70)から「『ゲン』を描いたころや、その後のことが記されている」と手渡された。

 この本で中沢さんは「はだしのゲン」をはじめ原爆漫画を描くようになった経緯を紹介。原発事故のあったチェルノブイリや、広島への原爆投下機エノラ・ゲイを展示している米スミソニアン博物館を訪れた時のことなどをつづっている。

 江口さんは「現在、モンゴルには放射性廃棄物の最終処分場の建設計画も出ていると聞く。子どもだけでなく大人にも読んでもらいたい」と話している。(二井理江)

(2013年6月11日朝刊掲載)

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