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「黒い雨」控訴断念すべき 枝野氏見解 「画期的な判決」

 立憲民主党の枝野幸男代表は5日、原爆投下後に降った「黒い雨」に国の援護対象区域外で遭い、健康被害を訴える広島県内の原告全84人へ被爆者健康手帳の交付を命じた7月29日の広島地裁判決について「政府として大局的な判断で控訴を断念すべきだ」との見解を表明した。

 広島市中区で核兵器廃絶を巡る討論会に出た後、報道各社の取材に答えた。

 枝野氏は「画期的な判決を大事にしたい」と強調。2012年の民主党政権は今回の被告の広島市と県が要望した援護対象区域の拡大を見送っているが「被害者の高齢化も進んだ。下級審とはいえ司法の判断も出て、政治決断できる状況だ」と主張した。

 一方、存廃議論がある市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)にも言及。「保存に向けた動きが必要で政府も後押しすべきだ」と述べ、今後、視察したいとの意向も示した。

 討論会では、共産党の志位和夫委員長が黒い雨の広島地裁判決について「控訴せず、救済してほしい」と政府の判断を迫った。(岡田浩平、宮野史康)

(2020年8月6日朝刊掲載)

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