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ピースツーリズム伸び悩み 平和テーマの観光提案 広島市サイト閲覧

 平和をテーマにした観光を提案する広島市の「ピースツーリズム」のウェブサイトへのアクセス数が伸び悩んでいる。2018年10月の開設以来、約2年間のアクセス数は計5万2829件。月平均で約2300件にとどまる。20年度は新型コロナウイルスによる観光客の激減も影響したとみられるが、29日に中区であったピースツーリズム推進懇談会では改善を求める意見が出た。

 サイトは、国内外の観光客に、市内の被爆建物や戦後復興の歩みを伝える場所を徒歩や自転車で巡る4ルートを紹介している。主にスマートフォンでの利用を想定し、日本語と英語に対応している。約370万円かけて開設した。

 20年度の月別アクセス数は、8月に過去最多の8728件を記録。テレビ番組に取り上げられ、インターネット広告を出した効果もあったという。ただ、その他の月は約1400~約3千件で推移した。

 この日の懇談会では、委員が「市の年間の観光客数約1400万人に比べて多いとは言えない」と指摘。ルートの利用状況を検証するよう求める意見も出た。

 市は、新型コロナの影響による観光客の激減も影響していると説明。ルートを巡って効果を探るモニターツアーも感染拡大で見送っている。観光プロモーション担当は「引き続きコロナの影響で観光客数の回復は見込めない。まずは迎える側の市民に関心を深めてもらうことも考えたい」と説明している。(明知隼二)

(2020年9月30日朝刊掲載)

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