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日本の批准求め署名活動 核禁条約 原水協スタート

 核兵器禁止条約の来年1月22日の発効に向け、日本原水協は29日、日本政府に条約への署名・批准を求める署名活動を始めた。この日、東京都内で開いたスタート集会には広島、長崎の被爆者たちが参加し、「核を巡る日本の政策を変えさせる署名だ」と訴えた。

 署名は「唯一の戦争被爆国である日本政府は、核兵器廃絶の先頭に立たなければならない」と強調。政府は被爆者や国民の声に誠実に応え、条約に参加するよう求めている。

 共同呼び掛け人には日本被団協の役員全員に加え、広島で被爆したカナダ在住のサーロー節子さん、作家の瀬戸内寂聴さん、映画監督の山田洋次さん、音楽家の坂本龍一さんたち126人が名を連ねた。  集会では、長崎で被爆した被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(88)が「条約発効は大変うれしいが、政府が条約に署名も批准もしていないことに憤りを感じる」と訴えた。

 広島で被爆した東京都の被爆者団体「東友会」の家島昌志代表理事(78)は「私たちの目の黒いうちに核廃絶へ一歩でも二歩でも進むよう政府を動かそう」と力を込めた。最後に「核兵器がもたらすのは『安全』でも『抑止』でもなく、人類の絶滅に通じるものだ」とのアピール文を採択した。

 条約は核兵器の開発から使用まで一切を全面禁止する内容で2017年7月に国連で採択された。批准数が今月24日、発効に必要な50カ国・地域に達したが、日本は米国の「核の傘」に依存する立場を理由に署名も批准もしていない。(河野揚)

(2020年10月30日朝刊掲載)

広島県原水協も再始動 核禁止条約 署名活動へ集会

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