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竹島「日本領」新たに9点 1955~97年発行 米航空図

 シンクタンクの日本国際問題研究所(東京)は11日、日韓両国が領有権を主張する島根県の竹島(韓国名・独島(トクト))について、1955~97年に発行された米国の航空図に日本領とする表記が新たに9点見つかったと明らかにした。専門家は米国が日本領と認識していることを示す貴重な資料とみる。

 米国空軍や米国国防総省が発行する航空図9点で、米国国立公文書館などに所蔵されている。97年に発行された縮尺200万分の1の航空図では、島名は記されていないが、同じ場所に竹島の最高標高点を示す「551」と「JAPAN」の表記を確認。これは竹島の男島の標高168メートルを示している。このほか竹島と鬱陵島(ウルルンド)(現韓国領)の間を国境線とし、竹島を日本領とする航空図が確認された。

 調査した島根大の舩杉力修准教授(歴史地理学)は「航空図は、米国の地理的認識を反映しており、竹島が日本領という主張を十分に補強できる資料」としている。しかし、米国は基本的に竹島問題には関与しないという姿勢で、67年以降の5点の航空図には「国境線の表記は、必ずしも権威あるものではない」とも記されている。(高橋良輔)

(2020年12月14日朝刊掲載)

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