×

ニュース

締約国会議参加 全員前向き 核禁条約 与野党議員ら討論会

 来年1月に開催予定の核兵器禁止条約の第1回締約国会議を前に、日本の核政策を考える討論会が5日、広島市中区であった。日本被団協などが参加する「核兵器廃絶日本NGO連絡会」が主催した。与野党の党首を含む8党の国会議員がウェブを含めて参加し、全員が会議への参加に前向きな姿勢を示した。

 第1回会議で議長を務めるオーストリア外務省のアレクサンダー・クメント軍縮局長はウェブ参加した。「唯一の被爆国として歴史的な役割を果たしてほしい」と日本の会議参加を希望。「禁止条約を支持していない国を含む全ての国を歓迎したい」と述べた。

 これに対し、自民党被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟の寺田稔代表世話人(広島5区)は、バイデン米政権の姿勢を念頭に「核保有国の理解を得つつ、禁止条約の会合に日本が何らかの形で参加できる土壌ができつつある」との認識を表明した。公明党の山口那津男代表は「当面、会議にオブザーバー参加し、唯一の戦争被爆国として積極貢献すべきだ」と言明した。

 野党側はそろって参加を支持した。立憲民主党の枝野幸男代表は、日米同盟とオブザーバー参加は矛盾しないとした上で「同盟国、米国も理解する。日本政府に対して、米国との交渉を働き掛ける」と述べた。

 共産党の志位和夫委員長と社民党の福島瑞穂党首は日本政府による批准を要求した。国民民主党の玉木雄一郎代表は「国会の安全保障委員会に核廃絶小委員会を設け、核抑止の意義について常時議論を重ねるべきだ」と提案した。

 日本被団協の児玉三智子事務局次長(83)=千葉県市川市=は終了後、議論を歓迎しつつ、政府には批准を求めると強調した。「禁止条約を前に進めて廃絶をしないと、亡くなった被爆者が報われない」と述べた。(宮野史康、河野揚)

(2021年8月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ