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本紙の3記者が受賞 科学ジャーナリスト大賞 連載「グレーゾーン 低線量被曝の影響」

 日本科学技術ジャーナリスト会議は26日、優れた科学報道や著作に贈る今年の科学ジャーナリスト大賞に、中国新聞の2016年の連載「グレーゾーン 低線量被曝(ひばく)の影響」を執筆した3記者を選んだと発表した。本紙記者の受賞は、15年に連載「廃炉の世紀」を担当した山本洋子記者が大賞に次ぐ科学ジャーナリスト賞を受けて以来、2度目。大賞は初めてとなる。

 受賞したのは、ヒロシマ平和メディアセンターの金崎由美記者、報道部の藤村潤平記者(執筆当時は東京支社)、同部の馬場洋太記者。16年3~11月に計7部、31回を掲載した。

 現在の科学では明確に分からない低線量被曝の影響について、東京電力福島第1原発事故後の福島、被爆地広島、核超大国の米国などを舞台に多面的に報道。解明に取り組む研究者も追った。ヒロシマ平和メディアセンターのウェブサイトにも日本語と英語で掲載している。

 同賞は06年に創設され、12回目の今回は73作品の応募があった。ノーベル化学賞を受賞した白川英樹氏、物理学者の米沢富美子慶応大名誉教授ら10人の選考委員会からは「低線量被曝の影響に真正面から取り組み、掘り下げた。混沌(こんとん)とした情報を整理して丁寧に描いている」などと評価された。贈呈式は5月16日に東京都内である。

 17年の科学ジャーナリスト賞は次の通り。(敬称略)

 NHK・松永道隆(取材班代表)「ゲノム編集の衝撃」▽早稲田大教授・瀬川至朗「科学報道の真相」▽NHKエデュケーショナル・佐々木健一、高瀬雅之、NHK・丸山俊一「ブレイブ 勇敢なる者」

(2017年4月27日朝刊掲載)

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