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デモ規制条例案 広島市提出せず 8月式典 実施見送り

 広島市の松井一実市長は7日、14日に開会する市議会定例会に、平和記念式典の会場周辺でデモの拡声器の音量を規制する条例案を提出しないことを明らかにした。ことし8月の被爆75年の式典での条例による規制は見送る。定例会には2020年度一般会計当初予算案を含む71議案を提出する。

 松井市長は記者会見で「デモの実施団体と幸い話し合いができている。現時点では協議がうまくいく期待感を持っている」と述べ、式典の静粛の確保に向けて話し合いでの解決を優先させる考えを示した。一方で「協議次第で駄目ということになれば、手段を考えないといけない」とも話し、条例の検討は継続するとした。

 提出議案には障害者差別の解消を目指す基本理念を定めた条例案などを盛り込んだ。82億6700万円を増額する19年度の一般会計補正予算案には国の経済対策に基づき、市立学校内への無線LAN環境の整備や義務教育の児童生徒へのタブレット端末の購入費などを計上した。(永山啓一)

(2020年2月8日朝刊掲載)

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