×

ニュース

被服支廠 玉木氏が視察 広島知事と会談も 「残していかないと」

 国民民主党の玉木雄一郎代表が17日、広島県庁で湯崎英彦知事と会談した。県が「2棟解体、1棟外観保存」の原案を示した被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(広島市南区)について「被爆の実態を伝える歴史的な建物として残していかなければならない」と主張。その上で、当面は県などの議論を見守る考えを示した。

 非公開の会談後、取材に応じた玉木氏によると、湯崎知事は「利活用には金がかかる。財源、財政をどうするか、しっかり考えていかなければならない」と説明したという。玉木氏は「国としてできることがあれば、しっかりと応援していく」と答えたとした。

 国による財政支援の一つとして、文化庁が、国史跡への指定で保存や修理を補助できる可能性があるとの見解を示している。玉木氏は「文化庁の予算は非常に少なく、それだけで十分なのか。地元でどういう価値を残していくかが定まれば、他省庁への働き掛けをしたい」と約束した。

 会談に先立ち、玉木氏は現地を視察した。隣接する県立広島工業高の敷地からフェンス越しに見学。「唯一の戦争被爆国として、核なき世界の実現を世界に発信する日本の役割は大きく、象徴的な建物になる可能性がある。思った以上の大きさ、迫力だった」と語った。(明知隼二、樋口浩二)

(2020年2月18日朝刊掲載)

年別アーカイブ