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天皇陛下23日60歳 広島・長崎訪問の意向も

 天皇陛下は23日、60歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、住まいの赤坂御所で、広島、長崎の被爆75年に関する所感を述べられた。被爆者の高齢化が進んでいることに触れ、「大変な思いをされていることは承知しています」と強調。その上で被爆地に今後も心を寄せ、広島、長崎を訪問したいとの意向も示された。

 被爆者が老いてなお核廃絶を訴え続けていることへの受け止めや、被爆地訪問の意向などに関する中国新聞の質問に答えられた。

 陛下は「被爆者の方々は高齢化が進んでおられますし、本当に皆さんが大変な思いをされ、ご存命の方々が大変な思いをされていることは承知しております」と述べられた。

 その上で「世界の平和を望む立場として今後とも広島そして長崎のことについては心を寄せていきたい。また広島、長崎を訪れる機会があればというふうに思います」とされた。

 終了後、陛下は宮内庁の侍従を通じ中国新聞に、会見での発言を補足された。「幼少の頃より(今の)上皇、上皇后両陛下とともに広島、長崎の原爆の日には欠かさず、黙とうをささげてきました」との内容だった。

 天皇陛下は皇太子時代、広島アジア大会の開会式(1994年)、全国「みどりの愛護」のつどいの式典(98年)、国民文化祭のオープニングイベント(2000年)、全国育樹祭(06年)などに出席するため広島を訪れた際、平和記念公園(広島市中区)の原爆慰霊碑に花を手向けられている。(下久保聖司)

(2020年2月23日朝刊掲載)

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