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被爆体験 口述記録で伝承を 福山 元アナウンサー久保田さん講演

 オーラルヒストリー(口述の歴史記録)を通じた被爆体験伝承の大切さを発信している元アナウンサー久保田智子さん(43)=東京都渋谷区=の講演が23日、福山市本町の市民参画センターであった。久保田さんは集まった50人に、多くの被爆者の体験や心情を聞き、残していく重要性を強調した。

 広島皆実高の卒業生でもある久保田さんは「当時、どう感じたのかという心の部分を証言に残すことでより継承の力は強くなる」と説明。米軍が撮影した原爆投下直後のきのこ雲の写真を示し「きのこ雲の下にあった暮らしの記憶を残さないと、原爆の記憶はきのこ雲だけになってしまう」などと述べ、より多くの被爆者の声を残していくことが大切だと訴えた。

 久保田さんは、TBSを退社し、東京大大学院学際情報学府でオーラルヒストリーを研究中。広島市の被爆体験伝承者としての2020年度からの活動を目指している。

 参加した盈進高2年でヒューマンライツ部部長の馬屋原瑠美さん(17)=福山市新市町=は「当時の感情や背景に注目して、被爆者の話を聞いていくようにあらためて意識したい」と話していた。(菊本孟)

(2020年2月24日朝刊掲載)

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