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原爆資料館 臨時休館 29日から3月15日まで

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、広島市は27日、国内外から観光客が訪れる原爆資料館(中区)を29日から3月15日まで臨時休館にすると発表した。不特定多数の人が館内に長時間とどまるため、感染リスクを避け、拡大を防ぐことを最優先に判断した。

 国内外から広島を訪れる旅行者にとって資料館はメインの目的地の一つ。2018年度は152万2453人が訪れ、近年、外国人の入館者も増えている。改修以外の理由で長期間、全面休館することに、市平和推進課の中川治昭・被爆体験継承担当課長は「記録に残る中では例がない」としている。

 資料館はアルコール消毒液の設置数を大幅に増やすなど対策を講じてきた。「利用者への周知期間が短い中、感染症対策を優先したことにご理解をお願いしたい」と中川課長。旅行者には市ホームページなどで告知する。

 資料館と同じく平和記念公園内にある国立原爆死没者追悼平和祈念館(同)も同じ期間、休館する。

 市は資料館をはじめ、広島城(中区)や市現代美術館(南区)、ヌマジ交通ミュージアム(安佐南区)など計10カ所の集客施設を休館にする。

 また、千葉県で同じフィットネスクラブを利用した複数の人に感染が確認されたケースを踏まえ、区のスポーツセンターなどにあるトレーニング室10カ所の使用も休止。市立図書館11館ではオンラインで貸し出しを予約した書籍の受け取りと返却の利用に限り、書籍の閲覧などの館内利用を断る。(加納亜弥)

<広島市が臨時休館を決めた施設>

中区   原爆資料館
     広島城
     5―Daysこども文化科学館
     市江波山気象館
     旧日本銀行広島支店地下1階常設展示室
     市健康科学館
東区   市水道資料館
南区   市郷土資料館
     市現代美術館
安佐南区 ヌマジ交通ミュージアム

(2020年2月28日朝刊掲載)

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