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大林宣彦さん死去 82歳 映画「時をかける少女」 尾道出身

 尾道3部作と呼ばれる「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」をはじめ、数多くの映画を手掛けた尾道市出身の映画監督、大林宣彦さんが10日夜、肺がんのため東京都世田谷区の自宅で死去した。82歳。

 斬新な映像表現や新人俳優の思い切った起用により、話題作を次々に送り出した。尾道市を主要なロケ地としたシリーズは、同市が観光地として注目される大きな力ともなった。

 尾道北高を卒業後、成城大に進学。早くから自主制作映画に取り組み、共作の「喰べた人」(1963年)はベルギー国際実験映画祭の審査員特別賞を受けた。

 CMディレクターを経て77年、「HOUSE/ハウス」で劇場用映画に進出。82~85年の尾道3部作に続き、91~99年には「ふたり」「あした」「あの、夏の日」の新尾道3部作を手掛けた。

 近年の「この空の花―長岡花火物語」「野のなななのか」「花筐/HANAGATAMI」は反戦・平和のテーマを扱った。2018年夏から、約20年ぶりに尾道をメインのロケ地に撮影した、戦争と広島の原爆がテーマの「海辺の映画館―キネマの玉手箱」が遺作となった。

(2020年4月11日朝刊掲載)

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