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[ヒロシマの空白 被爆75年 街並み再現] 暮らし語る100枚 福山の遺族 写真保管

 被爆前の広島市内を収めた写真約100枚が、46歳で被爆死した故三島捨一さんの福山市に住む遺族から中国新聞に寄せられた。広島市中区の本通り商店街近くの街並みや戦時中の運動会など、様々な生活風景を活写している。原爆資料館(中区)によると「当時の市民の日常が写されており、貴重な資料」という。

 三島さんは本通り近くの旧西魚屋町(現中区袋町)で「喫茶フラゥア(フラワー)」を営み、カメラが趣味だった。洋服店や旅館が軒を連ねた同町の通りが数多く撮影されている。戦地に赴く兵士を市民が見送る姿も記録。近くの白神社、広島県庁、劇場や火葬場などの写真もある。

 裏面の検閲印などから1930年から44年ごろまでの撮影と推定される。写真はトランクに入っており、三島さんが古里の瀬戸村(現福山市)に疎開させていたとみられる。(水川恭輔)

(2020年6月21日朝刊掲載)

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