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ガイド研修 オンラインで 原爆資料館ピースボランティア コロナで活動縮小 海外の現状など学ぶ

 原爆資料館(広島市中区)の展示解説や平和記念公園内の慰霊碑巡りのガイドをしている「ヒロシマピースボランティア」有志が、オンラインでの学習会や研修を重ねている。新型コロナウイルスの影響で本来の活動は制約が続く。海外在住の日本人から現地の事情を聴くなどして知識を深め、活動再開に備えている。

 ピースボランティアに登録しているのは24~87歳の234人で、各自が決まった曜日を担当している。2月末に原爆資料館が休館したのに伴い、活動を休止した。再度開館した6月以降も、展示解説は再開できず、碑巡りガイドの予約もほとんど入っていない。

 そこで日曜に活動する石川ますみさん(58)=佐伯区=が「モチベーションを維持しながら、視野を広げよう」と同じ曜日の仲間に提案。5月から7回ほど、日曜朝に約20人がビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って集まっている。ハワイやベトナムとつなぎ、平和教育の現状や現地の紛争の歴史について話してもらった後、意見交換する。

 先月末には、マレーシア在住の日本語教師、桧山純子さん(49)が広島で被爆した東南アジア出身の「南方特別留学生」について語った。長年首相を務めたマハティール氏が日本と韓国の近代化に学ぶ「ルックイースト(東方)政策」を進めたこともあって「広島と長崎は復興の象徴として知られている」と説明した。

 本年度に「デビュー」しながら活動の場がない人たちをサポートする試みも始まっている。活動歴11年の小野久仁子さん(75)=西区=は、自らが案内している碑巡りコースを歩きながら撮影し、6分35秒の動画にまとめた。ガイドの練習に活用してもらう。

 展示解説のこつを経験者有志が伝える「分科会」も開かれている。片山郁江さん(56)=竹原市=は「これから実践、という時に活動休止になり不安だった。先輩から学びながら自分の得意分野を見つけ、見学者の心に残るガイドをしたい」と再開を心待ちにする。(桑島美帆)

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 小野さんが作成した碑巡りの動画をヒロシマ平和メディアセンターのウェブサイトにアップしています。

平和記念公園周辺の慰霊碑巡り

(2020年7月14日朝刊掲載)

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