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連載 被爆70年

[ヒロシマは問う 被爆70年] 非人道被害 目向け合って 原爆めぐる日米の認識に違い 近代史研究ダワー氏

 米国が広島と長崎に原爆を投下して70年の節目を前に、日本近代史研究の第一人者であるジョン・ダワー米マサチューセッツ工科大(MIT)名誉教授(76)が、マサチューセッツ州ケンブリッジの同大構内で中国新聞のインタビューに応じた。

 ダワー氏は、米国で原爆投下を正当化する世論が根強い背景について、第2次世界大戦に対する日米のイメージが大きく違うと指摘。相手方が受けた被害や自らの加害者としての側面からお互いが目をそらしたままでは、溝が埋まらないと強調した。2国間の問題に限らず、非人道的な被害に目を向け合う姿勢が対話に結び付くと示唆した。

 ダワー氏は、日本の敗戦と占領期の社会の変化を豊富な資料からあぶり出した「敗北を抱きしめて」などの著作で知られる。MITのホームページ内で、原爆資料館(広島市中区)が所蔵する「市民が描いた原爆の絵」を紹介するなどしている。(金崎由美)

(2015年1月18日朝刊掲載)