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連載 被爆70年

[ヒロシマは問う 被爆70年] 日米の高校生86%が肯定的 「被爆体験 世界平和に影響」 本社アンケート

 中国新聞社が被爆70年に合わせて日米の高校生749人を対象にしたアンケートで、被爆体験証言が核戦争の防止や世界の平和に与えた影響について肯定的な回答が9割近くに上り、若者が体験継承に強い意義を感じていることが分かった。先に行った被爆者自身へのアンケート結果より高い傾向が出た。

 アンケートは3月、広島市中区の基町高と東京都三鷹市の法政大高、米ニューヨークのスタイベサント高で実施。日本は高校1年(現2年)、米国は同世代の16、17歳の生徒を中心に、記述式で回答を得た。

 「広島、長崎の被爆体験は核戦争の防止や世界の平和に影響を与えてきたと思うか」との問いに、「思う」「ある程度思う」と肯定的に答えたのは全体で計86・2%に上った。同じ質問を被爆者にした際は、日本で80・4%、海外に住む被爆者で70・9%だった。体験証言の意義について被爆者の多くも確信を持つが、受け継ぐ側の世代が、それにも増して感じていることが浮き彫りになった。

 学校ごとで見ると、基町高が92・0%、法政大高が88・1%、スタイベサント高が72・1%だった。

 NPO法人「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」代表理事で日本被団協代表委員の岩佐幹三さん(86)は「心強い結果だ。被爆者として命ある限り体験を伝え、若者には、昔話ではない今の課題として受け継いでほしい」と話している。(道面雅量)

(2015年5月9日朝刊掲載)