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首相の核政策に「残念」 被団協代表委員 強い憤り

 日本被団協の田中熙巳代表委員(89)は14日、岸田文雄首相(広島1区)が今週の衆参両院の代表質問で核兵器禁止条約への署名、批准に消極的な姿勢を示したことを受け、「米国の核抑止力に頼るしか日本の安全はないという発言は非常に残念だ。(米国の)従属国の首相と思われてもおかしくない」と憤りを示した。

 田中氏は、全国都道府県代表者会議後の記者会見で自民党宏池会(岸田派)が伝統的に憲法9条の平和主義を重んじてきたことを指摘。「岸田氏には期待していた。首相になれば度胸を見せるかと思ったら全然違った」と述べた。

 首相が主張する核兵器保有国と非保有国の「橋渡し」については「橋渡しではなく、日本が核兵器をなくす提案をどんどんしていかなければ」と訴えた。

 首相は11~13日の代表質問で、核兵器禁止条約の課題を「核兵器国が入っていない」と指摘して署名、批准に後ろ向きな姿勢を改めて示し、「唯一の同盟国である米国の信頼を得た上で核兵器のない世界の実現に前進していきたい」と繰り返した。(樋口浩二)

(2021年10月15日朝刊掲載)

「核禁条約署名を」77.4% 日本被団協 国会議員703人アンケート 回答率は3割 首相も答えず

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