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独、核禁条約会議オブザーバー参加へ 日本参加 なお慎重姿勢 林外相

 12月のドイツ新政権樹立で合意した中道左派、社会民主党(SPD)や環境保護政党「緑の党」などの3党は、核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加を政策合意書に盛り込んだ。各党が24日、文書を公表した。林芳正外相(山口3区)は25日、「条約には核兵器保有国が一カ国も参加していない」と改めて指摘し、日本の参加にはなお慎重な姿勢を示した。

 中国新聞など報道各社のインタビューに応じた林氏はドイツ新政権の動きについて「報道で承知している。まずは核兵器保有国がいる場で(核軍縮の)取り組みを進めたい」と強調。来年1月に米ニューヨークの国連本部である核拡散防止条約(NPT)再検討会議での核軍縮協議を優先する考えを改めて訴えた。

 被爆地広島を地盤とする岸田文雄首相(広島1区)は核兵器廃絶を「ライフワーク」とする一方、中国の核戦力増強や北朝鮮の核開発など日本を取り巻く安全保障環境の厳しさも指摘。まずは同盟国の米国バイデン大統領との信頼関係の構築が第一だと訴える。

 日本と同じく米国の「核の傘」の下にあるドイツが新たな動きを見せたことで首相の本気度が改めて問われることになる。松野博一官房長官は同日の記者会見で「オブザーバー参加よりも唯一の戦争被爆国として核兵器保有国を核軍縮に一層関与させるよう努力していく」と従来の立場を繰り返した。(樋口浩二、口元惇矢)

独の参加歓迎 核禁条約会議 被爆者「日本も」

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