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こども図書館 一部機能残す 広島市の中央公園再配置計画 市民意見踏まえ見直し案

児童書閲覧など可能

 広島市中区の中央公園にある市有7施設の再配置計画で、市は3日の市議会都市活性化対策特別委員会で、市民意見などを踏まえて見直した案を示した。中央図書館などと一緒に、JR広島駅前の商業施設「エールエールA館」(南区)に移転させる方針のこども図書館は機能の一部を現在地に残すとしている。(余村泰樹)

 市の案では、こども図書館の建物に、現在の図書閲覧室の3分の1となる約250平方メートルの空間を確保し、移転後も児童書の閲覧や絵本の読み聞かせができるようにする。こども文化科学館と併設する現在地にこども図書館を残してほしいという市民の反対の声を踏まえた。

 移転先のA館では、こども図書館の機能を引き継ぐスペースとして約2千平方メートルを用意する。現在の2倍の広さとなり、キッズスペースなどを設けるという。

 市は、中央図書館と映像文化ライブラリーを含めた3施設の移転にかかる費用も説明。A館のフロア取得や改修費などで計約96億円とし、仮施設の設置が必要となり、計約122億円が見込まれる現地建て替えよりも財政負担が軽くなるとした。

 現在、こども図書館と中央図書館が離れているため「親子で使いづらい」との声があることを踏まえ、一般書も児童書もそろえた、親子連れで楽しめる施設を目指すとしている。

 一方、公園外への移転や廃止を検討するとしていたファミリープールは抜本的な見直しを継続。例として、こどもプールと流水プールだけを残す案を挙げた。廃止する場合は、夏のみ利用できる仮設プールや大型遊具の設置で親子連れが四季を通じて楽しめる空間の整備を検討するとした。

 こども図書館の移転を巡っては、市民団体が移転中止や現在地かその近辺での建て替えなどを求める署名を市に提出している。市都市整備局は「市民の声や市全体のまちづくりを踏まえて最適な案を考えた」としている。

(2022年2月4日朝刊掲載)

広島市中央図書館移転 エールエールA館 3フロアを取得へ

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