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家族伝承者 研修に54人 広島市新制度 被爆の知識など学ぶ

 家族の被爆体験を聞き取って語り継ぐ広島市の「家族伝承者」制度で、初年度の養成研修に54人の応募があった。被爆者の高齢化を受け、家族の協力で新たな証言の掘り起こしと継承につなげるため市が新たに設けた制度。応募者は1期生として7月から、原則2024年度の活動開始を目指して研修や原稿作成に取り組む。

 家族伝承者は、被爆者の子や孫など親戚関係にある人が体験を聞き取り、代わりに語り伝える。市が1日、5月末の募集締め切りを受けて応募者数をまとめた。被爆者の証言を第三者が受け継いで語る従来の「被爆体験伝承者」と同様に、原則2年間の研修で原爆被害の基礎知識や話法を学ぶ。

 研修終了後は広島平和文化センター(中区)の委嘱を受けて原爆資料館(同)などで修学旅行生や旅行者向けに講話をする。市平和推進課は「新たな取り組みで手探りの部分もあるが、被爆者に代わって伝えてもらえるよう丁寧にサポートしていく」としている。

 このほか、被爆者が自ら語る「被爆体験証言者」に2人、被爆体験伝承者に48人の応募があった。(明知隼二)

(2022年6月2日朝刊掲載)

存命要件 応募断念も 対象外れ残念がる声

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