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G7、物価高対応で連携 独サミット開幕 対露圧力強化へ

 日米欧の先進7カ国首脳会議(G7サミット)が26日昼(日本時間26日夜)、ドイツ南部エルマウで開幕した。2月のロシアによるウクライナ侵攻後、初めての定例会議で、初日は世界経済の安定成長などが議題となった。物価高騰への対応や発展途上国へのインフラ投資支援で連携を深めることなどを確認した。ロシア産金の禁輸で圧力を強化することも焦点となった。会議は28日までの日程となっている。(エルマウ発 境信重)

 岸田文雄首相(広島1区)は会議で「世界の平和秩序を守り抜くため、各国の国民生活を物価高騰から守るよう結束を強めていかなければ」と強調。経済安全保障分野での連携強化や為替相場の安定の必要性も訴えた。被爆地広島市で来年開くサミットに向け、これらの懸案の「議論を深めていきたい」と述べた。

 首脳会議には、バイデン米大統領やマクロン仏大統領たちが出席し、初日は世界経済を中心に討議した。

 ロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーン(供給網)混乱などで、原油や食料の価格が高騰している。経済協力開発機構(OECD)は加盟国のインフレ率が2022年に前年比8・5%と急上昇すると分析する。家計や企業の重荷となるインフレ加速にG7で協調して対処し、金融政策は引き締めペースを適切に調整する方向だ。

 昨年合意した途上国へのインフラ投資構想を正式発足させ、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に代わる選択肢として進めていく。

 バイデン米大統領は26日、各国首脳がロシア産の金の輸入禁止を発表するとツイッターで表明。ただ、かねての制裁で欧米ではロシア産金の取引が難しくなっており効果は未知数だ。

 ロシアの黒海封鎖でウクライナからの穀物輸出が停滞し、アフリカや中東などを中心に食料不足への懸念が強まる。閣僚会合でも対応を協議しており、サミットでも主要議題となる。

インフレ
 Inflation(インフレーション)の略語で、物価が継続して上昇する状態。一般的に、モノやサービスの需要が供給を上回ると起き、お金の価値は低下する。景気回復による賃金上昇を伴う緩やかなインフレは良い経済状態とされる。物価が急上昇するハイパーインフレは市民生活に甚大な悪影響をもたらす。

(2022年6月27日朝刊掲載)

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