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広島市 8・6式典の概要発表 最多114ヵ国・EU 出席へ

 広島市は8日、8月6日に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典の概要を発表した。過去最多となる114カ国と欧州連合(EU)の代表や、国連のグテレス事務総長が出席する見通し。都道府県の遺族代表は32人が参列を予定する。

 市は156カ国とEUに案内状を送付し、6日までに114カ国とEUから大使たちが出席するとの回答があった。予定通りに出席すれば、被爆70年の節目だった2015年の100カ国とEUを上回り、過去最多となる。市は「世界的に新型コロナウイルスの感染対策が緩和され、出席しやすい状況になったのでは」とみている。

 核兵器保有9カ国は、米英仏とパキスタン、イスラエルの5カ国が出席する。インドは欠席で、中国、北朝鮮は未回答。ロシアはウクライナ侵攻などを踏まえ、市が招待しなかった。

 遺族代表は最高齢の95歳女性を含む32人で、昨年より8人多い。平均年齢は69・8歳となる。

 「平和の鐘」を突くのは遺族代表の米田慎志さん(45)=西区、こども代表の竹屋小6年舛本陽毬(ひまり)さん(12)=中区=の2人。「平和への誓い」は幟町小6年バルバラ・アレックスさん(12)=同、中島小6年山崎鈴(りん)さん(11)=同=が読み上げる。

 この日の記者会見で、舛本さんは「世界で戦争が起きている。平和への思いが鐘の音と一緒に世界に届くといい」と力を込めた。バルバラさんは「心に残る誓いを読み上げたい」、山崎さんは「一人でも多く平和への思いが伝わるよう頑張る」と話していた。

 式典は午前8時から。市は20、21年、感染対策で席を例年の約1割の880席に絞ったが、今年は3550席に増やす。初めて公募した参列者の席は、一般1018席(応募1744席)、被爆者・遺族314席(同871席)、全国の小中学生1229席(同1636席)、外国人62席(同62席)とする。密集を避けるため、その他の一般来場は自粛を呼びかける。(明知隼二)

(2022年7月9日朝刊掲載)

『この人』 平和記念式典で平和の鐘を突く遺族代表 米田慎志(よねだしんじ)さん

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