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[NPT再検討会議2022] 140ヵ国・地域が共同声明 核兵器の非人道性を訴え

 コスタリカや日本など140超の国・地域は22日、米ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、核兵器の非人道性を訴える共同声明を発表した。核兵器は人類の生存を脅かしかねないとして、「核兵器が再び使用されないことを保障する唯一の方法は廃絶だ」と訴えた。(ニューヨーク発 小林可奈)

 この日の全体会議で賛同国・地域を代表し、コスタリカが読み上げた。環境や社会経済の発展、将来世代にまで及びうる核兵器の影響を列挙。非人道性について「核兵器が初めて使用された瞬間から明らか。この瞬間から、核兵器の脅威のない世界を求める人類の願望をかき立てた」と力を込めた。

 コスタリカに賛意を示す形で、米英の核実験被害を受けたキリバスの代表が発言。過去から現在、将来にわたって強いられる核被害の苦しみを伝え「私は無力な人々の声となり発言する」と、核兵器を持つ大国に廃絶への行動を迫った。

 核兵器の非人道性は、2010年の再検討会議で合意した最終文書に明記。以降、国際会議で同趣旨の共同声明が発表され続け、15年の再検討会議では日本やオーストリアなど159カ国が賛同した。非人道性の議論の活発化を追い風に、21年1月には核兵器を全面的に違法化する核兵器禁止条約が発効した。

(2022年8月24日朝刊掲載)

核先制不使用に言及 NPT会議 初の最終文書案

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