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社説・コラム

副会長都市 英マンチェスター ドナ・ルドフォード市長 露侵攻 都市標的を懸念

核頼みの防衛政策批判

 平和首長会議の副会長都市を務める英マンチェスター市のドナ・ルドフォード市長が中国新聞の書面インタビューに応じた。ルドフォード市長は、ロシアのウクライナ侵攻を踏まえて都市を攻撃対象にするべきではないと指摘し、安全保障を核抑止に頼る現状を批判した。(明知隼二)

  ―核兵器廃絶へどう取り組んできましたか。
 1980年に自治体として「非核宣言」をした。国内で多くの都市が続き、今も自治体連合として続いている。核兵器禁止条約については、英国政府に対し核兵器の更新をやめ、条約を批准するよう国内で初めて決議した。この動きも他自治体に広がっている。

  ―ロシアはウクライナに侵攻し、多くの都市住民が巻き込まれています。
 欧州の他の加盟都市との共同声明で侵攻を明確に非難し、やめるよう促している。住民は議会やボランティア団体と連携し、難民を迎え入れて支援している。

  ―ロシアが核兵器の使用すら示唆する中、首長会議の役割をどう考えますか。
 「都市は標的ではない」との明確なメッセージを発信すべきだ。核兵器は民間施設を破壊し、民間人を殺すためにこそ設計されている。国がこのような大量破壊兵器に防衛政策を頼るのは道徳に反する。

 力を注ぐべきは核兵器廃絶であり、感染症や気候変動など人間の安全保障に関わる問題だ。首長会議は、各国が協力して共通の課題に取り組むよう訴えなければならない。

(2022年6月25日朝刊掲載)

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