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核軍縮 広島サミットへ 国連総会出席 首相 帰国の途

 岸田文雄首相は23日、国連総会出席のため訪れていた米ニューヨークから帰国の途に就いた。国連本部で被爆地選出の政治家として掲げる「核兵器のない世界」への決意をあらためて宣言したほか、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効に向けた初の首脳級会合を主催した。来年5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、核軍縮の機運をさらに高めたい考えだ。

 首相は帰国前の記者会見で、CTBT関連会合の成果に言及。核なき世界の実現に向け、「国際社会の機運を高めていく一つの重要なステップにできた」と強調した。採択した共同声明は米国、中国などに早期批准を求めるとしており、具体的な交渉をどう進めるかが課題となる。

 今回の訪米には、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が2回連続で決裂に終わった中、核軍縮議論を再起動する狙いがあった。11月23日には、世界の政治指導者を広島に招く国際賢人会議も控える。広島サミットを前に核なき世界へと前進する具体策が見いだせるか、成果が問われる。

 内政の課題も山積する。27日には、国民の反対が根強い安倍晋三元首相の国葬を実施。10月3日召集予定の臨時国会では自民党議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係について野党から追及を受けそうだ。(樋口浩二)

(2022年9月24日朝刊掲載)

『記者のつぶやき』 真正面外交こそ近道

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