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CTBT発効へ声明 首相主催 初の首脳級会合

 岸田文雄首相は21日(日本時間22日)、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を目指し、初の首脳級会合を米ニューヨークで主催した。カナダやドイツなど約50カ国が参加し、条約に背を向ける米国や中国などに早期批准を求める共同声明を採択。北朝鮮に対し核兵器廃絶に向けた行動も要求した。(ニューヨーク発 樋口浩二)

 首相は会合で「21世紀に入ってから、北朝鮮を唯一の例外として核爆発を伴う実験が行われていない。条約の普遍化が進展している」と指摘。核拡散防止条約(NPT)再検討会議は2回連続で決裂したが、核兵器のない世界に向けた取り組みを「たゆむことなく進めていく」と訴えた。

 ニュージーランドのアーダン首相をはじめ、オーストラリアやオランダ、フィンランドなどの首脳や外相たちが参加した。共同声明では、CTBT発効までの間も各国があらゆる核爆発や核実験をしない「核実験モラトリアム」を順守するよう明記。包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)が担っている核実験の兆候察知の監視態勢を一層強化することも盛り込んだ。

 北朝鮮には核兵器や関連計画の「完全かつ検証可能で不可逆的(CVID)」に向けた行動を強く要求。岸田首相は来年5月、地元の被爆地広島で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)の意義も説いた。

 CTBTは1996年に国連で採択されたが、米中などが未批准で発効していない。早期発効を目指す会合は「CTBTフレンズ」と呼ばれ2002年以降、2年に1回のペースで外相会合を開催。今回、首脳級までメンバーを広げた。

(2022年9月23日朝刊掲載)

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