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経済成長・生活安定に力 核なき世界へ国際社会導く 岸田首相インタビュー詳報

 岸田文雄首相は29日の中国新聞インタビューで間もなく1年を迎える政権運営を振り返り、内政・外交の決意を語った。(中川雅晴)

 
■政権発足1年

  ―10月4日で節目の1年。どんな心境ですか。
 新型コロナウイルス対応、ロシアによるウクライナ侵略、世界的な物価高など、歴史を画する大きな課題に次々と直面をした。最後は1人で責任を持って物事を決断していかなければならない。こうしたことを肝に銘じ、決断と実行の連続の中で最善を尽くした。

  ―安倍晋三元首相の国葬が終わりました。
 厳粛かつ心のこもった形で送ることができた。国民の意見や批判を重く受け止め、今後に生かしていかなければならない。

 
■これからの政権展開

  ―どんな分野に力を注ぎますか。
 物価高騰対策だ。予備費3・5兆円を追加策として国民に届ける。切れ目なく対応するため、10月中に総合経済対策を策定する。新しい資本主義では、今後5年でスタートアップ(新興企業)の10倍増を視野に入れる。グリーントランスフォーメーション(GX)も10年間のロードマップを年内に作る。経済成長と国民生活の安定に取り組む。

 
■外交・安全保障

  ―8~9月に国連本部で「核兵器のない世界」を訴え、来年5月に被爆地広島で先進7カ国首脳会議(G7サミット)を開きます。
 核拡散防止条約(NPT)再検討会議では成果文書の採択に至らなかったが、核軍縮に向けた現実的な議論を進めていく新たな土台ができた。

 広島という地名の重みやインパクトは外相時代から感じてきた。ウクライナ侵略で核の威嚇や使用の危険性が高まっている厳しい現実がある。唯一の戦争被爆国として国際社会を核兵器のない世界に導いていく。

  ―安保関連3文書の年内改定が迫る中、どう対応しますか。
 わが国を取り巻く環境は厳しさを増している。国民の命や暮らしを守るために、あらゆる選択肢を排除せず具体的な内容を積み上げたい。日米同盟の抑止力を強化することが大事だ。「反撃能力」を保有する自民党の提言を参考に、検討を進めている。

(2022年9月30日朝刊掲載)

政権1年「最善尽くした」 岸田首相 国葬批判受け止めも 中国新聞インタビュー

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