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サーローさん 若者へ訴え ICANノーベル平和賞受賞から5年 模擬国連にスピーチ寄せる

 カナダ在住の被爆者サーロー節子さん(90)が神戸市内であった模擬国連世界大会の開会式に祝辞のスピーチを寄せ、会場で代読された。ノーベル平和賞授賞式で核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))代表として受賞演説をしてから5年となる10日を前に、核兵器廃絶への変わらぬ思いを強調。核兵器禁止条約という「たいまつを受け継いで」と若者たちに呼びかけた。

 サーローさんは広島で被爆した体験を語るとともに、「核抑止」は「核兵器だけが核戦争を阻止できるとする危険で非論理的な妄想」だと非難。核兵器禁止条約こそが世界にとって賢明な選択だとした。

 6月に条約の締約国会議が開かれた際、核実験などの被害者を援助する国際信託基金の創設検討が打ち出されたことを踏まえ「日本とカナダは、条約に加盟せずともこの取り組みに貢献できる」と関与を訴えた。

 模擬国連は神戸市外国語大の主催で11月20~26日に開催され、世界各国の大学生ら約300人が外交官役になって英語で議論。広島市も訪問した。(金崎由美)

 模擬国連でのスピーチ原文(英語)と日本語訳を、サーローさんの了解を得てヒロシマ平和メディアセンターのウェブサイトに掲載しています。

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(2022年12月5日朝刊掲載)

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