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放影研移転 25年度目標 厚労省が事業費計上

 日米両政府が共同運営する放射線影響研究所(放影研、広島市南区)が2025年度内の広島大霞キャンパス(南区)への移転完了を目指していることが23日、分かった。政府が同日閣議決定した23年度予算案に事業費を盛り込んでおり、曲折を経て本格的に移転計画が動き出す。

 放影研などによると、広島大霞キャンパス内に延べ約7千平方メートルの施設を新築する。23年1月に同大へ正式に移転を申し込み、実施設計を経て、23年度にも着工したい考え。完成後、現在地から機能を移し、現施設を解体する流れを想定している。23年度に厚生労働省に移転へ向けた補助金を申請するという。

 これに対し、厚労省は予算案に計上した全国の複数の施設を対象とする保健衛生施設整備補助金の36億円の枠内で支出する。日米両政府の負担割合は、米側との交渉が難航。新施設の建設費は日本側が全て負担することになった。米側には今後、研究設備や引っ越し代の負担を求める。

 放影研は米側が1947年に設けた原爆傷害調査委員会(ABCC)が前身。原爆による被爆者や被爆2世の健康影響を研究している。移転は広島市などが長年、国に要望していた。放影研は22年6月に移転候補地を霞キャンパスに絞り込んでいた。(小林可奈、山本庸平)

(2022年12月24日朝刊掲載)

放影研移転費計上 地元 前進に期待の声

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