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政治とカネ対応「先頭に」 岸田首相に本社社長インタビュー 広島原爆写真 記憶遺産へ全力

 岸田文雄首相は新年にあたり、官邸で中国新聞社の岡畠鉄也社長のインタビューに応じた。経済など重視する政策分野で「具体的な結果を示す一年にしたい」と強調。後を絶たない自民党の「政治とカネ」問題への対応には「先頭に立つ」とした。「広島原爆の視覚的資料―1945年の写真と映像」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」の国際登録へ「全力で取り組む」とも述べた。

 注力する経済分野ではデフレ脱却や賃上げで結果を出すと力を込めた。少子化対策や首脳外交、エネルギー政策、防衛力拡充でも「具体的な形」を示すと繰り返した。

 昨年5月の広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、各国と「核兵器のない世界を目指す思いを共有できた」と振り返った上で、実現に向け「ロードマップを示すことが政治の大きな責任だ」と訴えた。自ら提唱した核戦力の透明性向上など5項目の行動計画「ヒロシマ・アクション・プラン」の具体化を誓った。

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件については「政治に関わる者は絶えず緊張感を持って自らを律し、この問題に取り組み続けなければならない」と強調。党総裁として「強い危機感を持って党全体で一致結束して取り組む」とした。

 政府は昨年11月、広島市と中国新聞社など報道機関5社による「広島原爆の視覚的資料」の「世界の記憶」への登録をユネスコへ推薦している。首相は「被災した市民や報道カメラマンが記録した貴重な資料。被爆の実相に触れるためにも、原爆の痕跡や記録を後世に引き継ぐ取り組みが重要だ」と強調した。(樋口浩二)

(2024年1月1日朝刊掲載)

経済の縮み思考 脱却へ 岸田首相インタビュー詳報 核廃絶 広島の影響力生かす

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