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防衛相「早期に一括購入」 日鉄呉跡地 配置案 地元提示へ

 日本製鉄(日鉄、東京)瀬戸内製鉄所呉地区(呉市)跡地への「多機能な複合防衛拠点」の整備案を巡り、木原稔防衛相は5日の閣議後会見で「防衛力の抜本的強化に必要」との認識を示した上で「早期の一括購入」を視野に入れていると説明した。装備品工場や港湾としての活用など機能ごとの配置案を定め、早期に地元自治体へ提示する考えも明らかにした。(宮野史康、樋口浩二)

 木原氏は新たな拠点が備える機能として、防衛装備品の維持や整備、製造▽ヘリポートなどの防災拠点や、艦艇などの部隊の活動基盤▽岸壁を備えた港湾―の3点を列挙。日鉄側と「早期の一括購入を視野に売買条件を協議している」と述べた。

 さらに三つの機能について、跡地を含む呉地区全体にどう配置するかを検討しているとし「ゾーニングを作成し、できるだけ早い段階で地元自治体に説明する」とした。

 林芳正官房長官も同日の会見で「防衛力の抜本強化」につながるとの意義を強調。海上自衛隊呉基地や陸上自衛隊海田市駐屯地が近い地理的特性を挙げた上で「地元経済の活性化にも貢献できる」との見方を示した。

 地元住民から雇用への期待と軍事拠点化への懸念が交錯していることには「地元自治体に、丁寧に(計画を)説明していきたい」と述べた。

(2024年3月6日朝刊掲載)

日鉄呉跡地に弾薬庫想定 防衛省 「多機能」の一つ

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