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在外被爆者数まず把握 追加支援にも意欲 坂口厚労相

 坂口力厚生労働相は、在外被爆者問題をめぐる中国新聞のインタビューに応じた。国が本年度から始めた在外被爆者支援事業について、坂口厚労相は「(被爆者健康手帳の交付が)基礎データとなる。協力いただかないとすべてが進まない」と述べ、反発している海外の被爆者団体に理解を求めた。さらに「実態把握が次の対策を早く考えることに結び付く」とし、手帳交付後の追加支援策を検討する考えをあらためて示した。

 坂口厚労相は、手帳取得のための渡航費補助などを柱に今年七月に始めた支援事業について「まず最初は数。被爆者が何人いるのか分からないと対応のしようがない」と述べ、海外に約五千人いるとされる在外被爆者の正確な実態把握を目指す考えを強調した。健康上の理由などで来日できない場合には「(被爆確認証を発行するため日本から担当者が)出張させていただく」と述べた。

 そのうえで坂口厚労相は「(在外被爆者の)実態が分かって、その次に何をするか、こういう話になる」とし、実態把握後の追加支援の実現に意欲を示した。同時に、現行の政府の支援策にブラジルや韓国などの被爆者団体が反発し、現地での治療などを求めている点については「入り口で拒否されると次に進む機会を失う」などとし、重ねて理解を求めた。

(2002年8月16日朝刊掲載)

在外被爆者対策 坂口厚労相に聞く 詳報 反発する団体、理解待つ 進む高齢化「窮状は承知」

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