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歴代首相と「8・6」 岸田氏「特別・厳粛な日」 本紙インタビュー 式典 現職出席「重要」

 岸田文雄首相は、広島原爆の日を前に首相官邸で中国新聞のインタビューに応じた。少年時代に毎年、祖母が広島市内で営む旅館で8月6日を迎えたことなどを回想し「私にとって特別な日、厳粛な日」と強調した。

 地元でもある被爆地広島について、少年時代に旅館で被爆者と顔を合わせたことを振り返り「8月は祈りの月」と表現。午前8時15分の原爆投下時刻に人々が立ち止まり、黙とうする姿に厳粛な空気を感じるとした。

 1994年の村山富市氏から続く現職首相の平和記念式典出席には「被爆者と思いを共有し各国大使とともに被爆の実相に触れ、平和を訴えることは重要だ」と訴えた。

 2022年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に首相として初めて出席し、23年5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を広島で開催しした一方、核兵器禁止条約の批准にはなお慎重な姿勢を示した。「被爆者たちと『核兵器のない世界』を目指すという目標は間違いなく共有している」と述べた。

 来年は被爆80年。被爆国政府のトップが節目にふさわしいメッセージを発する重要性を指摘したが「それが誰かということは私は申しません」とした。(編集委員・下久保聖司)

(2024年8月3日朝刊掲載)

歴代首相と「8・6」 本紙インタビュー 岸田氏「被爆者と思い共有」

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