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[戦後80年] 陸奥犠牲者 80人が悼む 山口県周防大島 「平和を後世に」

 太平洋戦争中に山口県周防大島町沖で爆沈した旧海軍の戦艦陸奥の犠牲者を悼む慰霊祭が8日、同町伊保田の町油田農村環境改善センターであった。東和陸奥顕彰会が主催し、遺族や住民たち約80人が参列した。

 黙とうの後、同会会長の藤本浄孝町長が「平和に対する悲願が、後世に受け継がれていくことを願う」と述べた。参列者は読経の中、会場に設営された祭壇で焼香した。

 犠牲になった三好輝彦艦長の孫の哲史さん(55)=大阪府豊中市=は「父から子煩悩の人だったと聞いている。ウクライナなど世界では戦争が続いている。慰霊を通じて平和を考えていきたい」と話していた。

 遺族は慰霊祭の後、陸奥が沈んだ海域を望む近くの陸奥記念公園に移動。慰霊碑に手を合わせた後、遺品や資料を展示する陸奥記念館や海底から引き上げられた艦首部分などを見学した。

 旧海軍の主要な戦艦だった陸奥は1943年6月8日、原因不明の爆発で沈没。乗員1121人が亡くなった。63年から同会主催で慰霊祭が開かれている。(川井直哉)

(2025年6月10日朝刊掲載)

[戦後80年] 戦艦陸奥 練習生の遺影 周防大島の記念館 妹2人が寄贈

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