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[被爆80年] 「PEACE」に思い込め 「ヒロシマ・アピールズ」ポスター完成

 核兵器廃絶や平和への願いを国内外に発信する2025年版の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターが完成した。被爆80年の今年はアートディレクターの北川一成さん(60)=東京都=が制作。タイトルでもある「PEACE」の5文字を際立たせたデザインで訴えかける。

 白地の中央に文字を配した。太く加工し、間隔を狭めて力強さを表現。一方で、静かに、沈黙をもって言葉を感じられるよう余白を生かして仕上げた。自身の名前などは用紙をへこませる加工を施し、小さな文字で刻んでいる。

 北川さんは9日、広島市役所で松井一実市長にポスターを披露し、「平和の思いを表現した」と説明。松井市長は「平和を構築するための心の整理になる」と感謝した。

 ポスター制作は日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)広島地区、広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金が主催した。1983年に始まり、今回で29作目。1800部を印刷し、1枚1100円で原爆資料館(中区)などで販売している。市立小中高にも配る。(下高充生)

(2025年7月10日朝刊掲載)

『この人』 今年の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターを制作したアートディレクター 北川一成(きたがわいっせい)さん

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