×

ヒロシマを学ぶ 関連記事

韓国人慰霊碑を平和公園に移設 建立29年目

 広島市中区の平和記念公園の対岸から、公園内(中島町)に移された韓国人原爆犠牲者慰霊碑の移設完工式が二十一日、慰霊碑前であった。関係者の悲願だった公園内への移設が実現した。

 式には、移設委員会の権養伯委員長や、広島市の秋葉忠利市長、姉妹都市の韓国・大邱市の文熹甲市長ら約三百人が出席。権委員長や秋葉市長、文市長、韓日親善協会中央会の金守漢会長ら八人が除幕して、全員で黙とうした。

 権委員長が「心ある多くの人の悲願がついにかなった」とあいさつ。文市長は「二十一世紀を平和な時代にするための出発点になる」と祝辞を述べた。

 続いて権委員長や秋葉市長らが献花。一九七〇年に碑を建てた張泰煕建立委員長は「感慨無量」と移設を喜び、尽力した人々の労をねぎらった。

 慰霊碑は在日韓国人有志の呼び掛けで、朝鮮李王朝の李鍝公が被爆後に救助された場所に近い本川橋西詰め(堺町一丁目)に建立された。平和記念公園の対岸のため、その後「民族差別ではないか」との声が上がり、市が公園内への移設方針を昨年末に決め、五月から移設工事をしていた。

(1999年7月22日朝刊掲載)

悲願実り晴れやか 韓国人慰霊碑移設 日韓友好に弾み(広島県)

年別アーカイブ