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廃絶へ大きな前進 広島市長・知事・坪井氏が期待

 核兵器禁止条約の批准数が発効に必要な50カ国・地域に達し、広島の被爆者団体や首長は25日、核兵器廃絶へ向けた大きな前進と受け止めた。広島市の松井一実市長は来月にも、長崎市の田上富久市長と共同で条約への参画を日本政府に直接要望する考えを示した。

 「大きな興奮を覚えている。悲願である核兵器の禁止・廃絶を具体化する大いなる一歩」。日本被団協代表委員を務める広島県被団協の坪井直理事長(95)はコメントを発表。核兵器保有国と日本政府を含む「核の傘」の下にいる国々に条約への参加を求め「険しい道が続くのかもしれないが、忌むべき兵器を世の中から無くしたい」とした。

 松井市長は報道陣の取材に応じ「不拡散だけでなく廃絶に向けた地球規模の合意がなされた」と述べた。条約の具体的な運用について協議する締約国会議が始まるのを踏まえ「条約が効果を発揮するため、保有国と締約国の橋渡し役を担うとする日本政府は、議論にしっかりと参画してほしい」と要望した。

 広島県の湯崎英彦知事は「被爆者をはじめとした働き掛けで、核兵器の非人道性に関する国際的な認識が広まった」と強調。核兵器に頼らない安全保障へのアプローチや賛同者を増やす取り組みを進めるとした。(久保田剛)

(2020年10月26日朝刊掲載)

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