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核兵器禁止条約1月発効 「希望が見えた」「参加国広げて」 広島市民・観光客反応

 核兵器禁止条約が来年1月に発効することが伝わった25日、被爆地の広島市では、市民や観光客から歓迎する声や、日本政府に批准を求める意見が上がった。

 犬の散歩中に平和記念公園(中区)を訪れた西区の会社員高山永龍さん(48)は「すぐに核兵器がなくなるわけではないだろうが、条約の発効は大変良いこと。日本の首相は広島や長崎の式典に顔を出すだけでなく、廃絶に向けた行動を起こすべきだ」と強調した。

 父が被爆者で、修学旅行の小学生に平和記念公園を案内していたボランティアガイドの初谷規余子さん(65)=南区=は「核兵器廃絶に向けて希望のようなものが見えた。多くの国々が賛同していることを、被爆国の日本は重く受け止めてほしい」と訴えた。

 観光で原爆ドームを訪れていた東京都の会社員浦上創史さん(34)は、核保有国に条約への参加を求めた。「日本は核を持たないのだから、参加しない理由がないはず。核の傘に守られている状況であっても条約の枠組みに入り、参加国を広げてほしい」と願った。

 被爆者の「あの日」を絵で残す活動をしている基町高3年の原田真日瑠さん(17)=三次市=は「大切な人たちが目の前で無残な死を遂げた場面を描くことが多い。核保有国や条約に反対する国の人たちにこの絵を見せて『今起きたらどう思いますか』と問いたい。自分に関わる問題として考えてほしい」と望んだ。

(2020年10月26日朝刊掲載)

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