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連載・特集

渋沢栄一と岡山 <3> PR列車

ゆかりの地を盛り上げ

 NHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の主人公・渋沢栄一のりりしい顔が乗客の目を引く。渋沢と井原の縁をPRしようと、井原鉄道(井原市)が先月から井原線で運行する企画列車。来年1月末まで1日2往復程度、走る。

 車体外部や窓を飾るのは、俳優吉沢亮さんが演じる若き日の渋沢の大型フィルムなど15枚。車内では、実際の顔写真を用いて、渋沢のほか、幕末に交流のあった興譲館初代館長で漢学者の阪谷朗廬(ろうろ)、阪谷の四男で蔵相を務めた芳郎を、経歴を交えて紹介。興譲館など井原市内のゆかりのスポットや市文化財センターでの企画展を案内するパネルも並び、観光に訪れる乗客の気持ちを高める。

 井原駅に降り立つと、今度は駅ビル内の観光案内所が渋沢と地元の関係をまとめた動画でお出迎え。貸自転車(1台300~500円)も用意しており、ゆかりのスポットを巡ることもできる。

 PR列車は、沿線の自治体や観光協会などが連携し、井原鉄道に呼び掛けて実現した。出発式では、井原市観光協会の川井真治会長(70)が「渋沢の井原での活躍が大河ドラマを機に広く注目されている。PR列車で井原をもり立てたい」と力を込めた。「一過性のブームに終わらないよう、今後もイベントを打ち出したい」と誓う。(高木潤)

(2021年8月18日朝刊掲載)

渋沢栄一と岡山 <1> 企画展

渋沢栄一と岡山 <2> 校内の墨書

渋沢栄一と岡山 <4> 友好の人形

渋沢栄一と岡山 <5> NHK岡山放送局

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