×

ニュース

「金庫」の中 戦災復興史 ひろぎんHDの史料室 現金在高帳など171点

 ひろぎんホールディングス(HD、広島市中区)が5月に開業した新社屋4階には、原爆被害を乗り越え、発展した歩みを紹介する史料室「記憶の金庫ミュージアム」がある。報道関係者向け見学会の際に撮影した、内部の写真を紹介する。

 地下貸金庫をイメージした約84平方㍍の空間。第六十六国立銀行として創業した1878年当時の地元金融界や、戦時統制下の銀行業務、原爆被災から再建した現代までを振り返る。

 同社は、広島銀行の前身で爆心地近くにあった芸備銀行本店と支店の144人を失った。早くも2日後の8月8日、旧日本銀行広島支店に仮窓口を開き、営業を再開した。171点の展示品には、京橋支店の金庫の中で焼失を免れた現金在高帳のほか、直後の混乱を物語る「戦災差金勘定受払報告書」、復興期に発行した「平和定期預金」の証書などが含まれる。

 経営企画部は「一般公開はしておらず、主に社内研修向けだが、学校の平和学習の要望があれば個別に検討したい」と話している。(桑島美帆)

ひろぎんホールディングスの史料室「記憶の金庫ミュージアム」

芸備銀 復興の原点 広島銀前身 被爆1・2年後の写真残る

広島銀前身の「戦災写真帖」見つかる 惨禍乗り越え営業継続 天井・壁 被爆の痕跡生々しく

芸備銀行本店「戦災写真帖」

年別アーカイブ