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核廃絶へ「揺るぎない決意」 核禁会議 宣言採択し閉幕

 米ニューヨークの国連本部で開かれていた核兵器禁止条約の第3回締約国会議は最終日の7日、人類存亡に関わる核兵器の脅威への対処へ、「揺るぎない決意」を新たにする政治宣言を採択し、閉幕した。廃絶を阻む核抑止に立ち向かう誓いも盛り込んだ。2026年11~12月に、条約の履行状況を確認する初の検討会議を開く。(ニューヨーク発 金崎由美)

 政治宣言は国際法上の行動に限らない条約推進の方向性を示す。地政学的な緊張の高まりや、核兵器の強化と近代化を背景に、核兵器がひとたび使われれば国境を越えて壊滅的な影響をもたらすとの重大な懸念を表明。唯一の対応策は完全廃絶であり、条約こそが「希望の光」だと訴えた。

 また来年2月に迫る、米国とロシアの間で唯一残る核軍縮条約である新戦略兵器削減条約(新START)の失効に危機感を強め、延長に向けた協力を呼びかけた。禁止条約のジェンダー条項への関与を再確認するなどしたほか、昨年の日本被団協のノーベル平和賞受賞に祝意を表した。

 今後の日程も決め、第1回検討会議は来年11月30日から12月4日までの間に国連本部で開催。議長国に南アフリカを選んだ。核実験被害者たちを援助する元手となる国際信託基金に関してはさらに議論を重ね、第1回検討会議での設立を目指す。引き続きカザフスタンとキリバスが担当国となり、検討会議の4カ月前までに報告書を出す。

 第3回締約国会議は今月3日に開幕。23年の第2回に一部の国がオブザーバー参加した北大西洋条約機構(NATO)からは今回ゼロ。日本政府は3回続けて参加しなかった。

 閉幕後、ラフメトゥリン議長(カザフスタン)は「会議を通じて世界に強いメッセージを送ることができた」と評価した。

(2025年3月9日朝刊掲載)

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