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「友の死 無駄にしない」 映画「ヒロシマへの誓い」 広島で試写 サーローさん 思い語る

 反核運動に半生をささげてきたカナダ在住の被爆者サーロー節子さん(88)を追ったドキュメンタリー映画の試写会が25日夜、広島市中区であった。サーローさんや、プロデューサーを務めた南区出身の竹内道さん(65)=米ニューヨーク=たちがオンラインでスクリーン越しに舞台あいさつし、作品に込めた思いを語った。

 映画は「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」(82分)。13歳で被爆し、核兵器廃絶を訴え続けてきたサーローさんの歩みをたどる。4年にわたる取材で、米国の若者と向き合い自らの体験を語る様子や、核兵器禁止条約の実現に奔走し、その採択を見届ける様子などを収めている。

 プロデューサーの竹内さんも自ら出演。サーローさんと行動を共にするうち、「被爆2世」としての自分を見つめ直すようになった過程を作品に盛り込んだ。

 試写会では、会場とカナダ、米国をウェブ会議システムでつないだ。サーローさんは、広島女学院高等女学校(現広島女学院中高)の級友を失った日を振り返り「この死を無駄にしてはならないと誓った」と、タイトルの由来について説明。禁止条約に反対し続ける日本政府に対し「日本の人たちがもっと厳しい声を上げてほしい」と求めた。

 竹内さんは「核兵器と同時に、戦争を乗り越え生きた人たちの話でもある」と解説。スーザン・ストリックラー監督は「未来を担う若い人たちにこそ見てほしい」と、広島をはじめ国内外での公開に期待した。

 映画は来年1月22日、核兵器禁止条約の発効に合わせ、中区の八丁座で公開する。(明知隼二)

(2020年11月27日朝刊掲載)

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